述語項構造シソーラス (Predicate-Argument Structure Thesaurus (PT))

自然言語処理を行うための述語の項構造データ(意味役割と概念フレーム)を作成しています.

意味役割の一覧 (2015.10.23)

意味役割一覧2015.10 現在
属性意味
使役 ある動作や状態,状態変化を引き起こす無生物やイベント.「波が[使役]ゴミを海岸に打ち上げる」
使役者 ある自主的な動作を相手にさせる人.相手は被使役者となる.「母親が [使役者] 子守唄を [対象] 娘に [被使役者] 聞かせる 」
動作主 ある動作や状態,状態変化を引き起こす人.「老人が [動作主] 道を [通過点] 横切る 」
動作主(操作対象) ある動作や状態,状態変化を引き起こすものが乗り物など人の操作されているものの場合. 「バスが [動作主(操作対象)] バス停を [起点] 発進する」
原因 ある動作や状態,状態変化を起こす理由や根拠となるもの. 「検察が [動作主] 社長を [対象(人)] 収賄容疑で [原因] 起訴する」
原因(内容物) ある空間を埋めるという状態変化において,埋めていくもの.「沼を [対象] 土砂で [原因(内容物)] 埋め立てる 」
対象 ある動作や状態,状態変化の変化を取り上げるそのもの.「守備を [対象] シフトする 」
対象(事態) ある動作や状態,状態変化の変化を取り上げるそのものが事態の場合. 「合格を[対象(事態)] 祈る」
対象(人) ある動作や状態,状態変化の変化を取り上げるそのもの.「 酔っ払いを [対象(人)] 外へ [着点] 追い出す 」
対象(動作) ある動作や状態,状態変化の変化を取り上げるそのものが動作の場合.「狩猟を/動作 解禁する」「寄付を/動作 企業に/対象(人) 仰ぐ」
対象(感情)ある動作や状態,状態変化の変化を取り上げる対象が感情の場合.「興奮が[対象(感情)]が冷める」
対象(生成物) ある動作や状態変化で生成したものを対象として述べているときに付与する.「劇場が[対象(生成物)]完成する.」
対象(身体部分) ある動作や状態で取り上げる対象がある主体の一部であるとき.「彼女が 視線を[対象(身体部分)]私に投げる」
相互 ある動作や状態変化がとりあげる対象とともに起こるもの.「私の意見が 彼女の意見と[相互]ぶつかる」
相互(人) ある動作や状態変化がとりあげる対象とともに起こる相手.「ケーキを みんなで[相互(人)]分ける」
着点 ある動作や状態変化の変化終了点での場所.「生徒達が 運動場に[着点] 出る」
着点(人) ある動作や状態変化の変化終了点での対象が人の場合.「ニセモノを 客に[着点(人)]掴ませる」
着点(抽象) ある動作や状態変化の変化終了点での対象の状況.「眠りに[着点(抽象) ] 落ちる
着点(時) ある動作や状態変化の変化終了点での対象が時間の場合.「帰国を 秋に[着点(時)] 延期する」
着点(状態) ある動作や状態変化の変化終了点で,元々の対象が異なる形になった状態.「エタノール水溶液を 水とエタノールに[着点(状態)] 分解する
着点(生成物) ある動作や状態変化の変化終了点で生成されたものや事柄.「自然を 短歌に[着点(生成物)] 歌う」
着点(程度) ある動作や状態変化の変化終了点が数量である場合.「人出が 100万人に[着点(数量)] 上る」
着点(身体部分) ある動作や状態変化の変化終了点が人や動作主の一部である場合.「赤ちゃんを 腕に[着点(身体部分)] 抱く」
方向 ある動作や状態変化における行き先を示すもの.到達するかどうかは不明.「職場に[方向]出掛ける」
方向(人) ある動作や状態変化における行き先が人の場合に付与する.「薬を一般に[方向(人)市販する」
経験者 ある動作や状態変化を意図せず行うことになった人.「彼が[経験者] 椅子から 落っこちる」
経験者(操作対象) ある動作や状態変化を意図せず行うことになったもので,人が操作しているもの.「セスナが[経験者(操作対象)] 海上に 墜落する」
経路 ある動作や状態変化における変化途中に関する事柄や場所.「挑戦者が ロープを[経路] 綱渡りする」
経路(抽象) ある動作や状態変化における変化途中に関する事柄で状況など抽象的な場合.「世間を[経路(抽象)] 渡る」
経路(時) ある動作や状態変化における変化途中に関する事柄で時間を取り上げている場合 「漫画家が 夜を[経路(時)] 徹する 」
被使役者 上述の使役者によってある動作を強要された人.「親が [使役者] 晴れ着を [対象] 娘に [被使役者] 着せる 」
通過点 ある動作や状態変化の途中の時点における場所.「旅人が [動作主] 峠を [通過点] 越える 」
通過点(抽象) ある動作や状態変化の途中の時点における場所.「彼女が [経験者] 困難を [通過点(抽象)] 経る 」
起点 ある動作や状態変化の変化前の時点での場所.「部隊が [動作主] 敵陣から [起点] 撤退する 」
起点・着点 ある動作や状態変化の起こるの時点での場所が変化結果時点での場所と両方を述べる場合.「飛行機が[動作主] 空港を[起点・着点] 発着する」
起点(人) ある動作や状態変化の変化前の時点での場所が人の場合
起点(抽象) ある動作や状態変化の変化前の時点での場所. 「住所を [対象] 友達から [起点(人)] 教わる 」
起点(時) ある動作や状態変化の変化前の時点での場所. 「新会社が[対象] 4月から[起点(時)] 稼働する
起点(材料) ある動作や状態変化の変化前の時点でのものを表しており,着点(生成物)の生成物のもとものを指す.「油を [対象(生成物)] 大豆から [起点(材料)] 取る」
起点(状態) ある動作や状態変化の変化前の時点での対象の様子.社会的な状態や状況.「売り上げが[対象] 黒字に [着点(状態)] 転換する 」
起点(身体部分) ある動作や状態変化の変化前の時点での場所が身体や動作主対の一部になる場合. 「カメラを [対象] 首に [起点(身体部分)] 下げる 」
補語相当(が) 他の項(が)の説明部分 「発言が[対象] 悪い意味に[補語相当(が)] 取れる」
補語相当(に) 他の項(に)の説明部分 「高値が[補語相当(に)] 商品に[対象] 付く」
補語相当(は) 他の項(は)の説明部分 「彼は [経験者] 身内も [補語相当(は)] 同然だ 」
補語相当(を) 他の項(を)の説明部分.「 結果を [対象] 圧勝と [補語相当(を)] 発表する」
場所 その述べる動作や状態,状態変化が起こっている空間に関する記述.「スーパーで [場所] 買い物する 」
場所(人) その述べる動作や状態,状態変化が起こっている場所が人間に起こる場合. 「才能が 彼女に[場所(人)]備わる」
場所(抽象) 述語の必須的な意味ではなく,その述べる動作や状態,状態変化が起こっている場所が状況の場合.
場所(身体部分) ある動作や状態が身体に起こる場合に付与 「悲しみが 胸の中に[場所(身体部分)]に渦巻く」
時間 その述べる動作や状態,状態変化が起こっている時空間のうち,時間を述べる場合. 「五時に [時間] 閉館する 」
時間(点) その述べる動作や状態,状態変化が起こっている時空間のうち,時間がある時刻の場合. 「春に [時間(点)] 合格する 」
時間(間) その述べる動作や状態,状態変化が起こっている時空間のうち,時間の幅の場合.「70分間[時間(間)] 待つ」
時間(毎) その述べる動作や状態,状態変化が起こっている時空間のうち,繰り返しの時間の場合.「毎月[時間(毎)] 走る」
手段 ある動作や状態変化を行う際に道具として使うもの.「背中を孫の手で[手段]かく」
程度 ある動作や状態・状態変化における期間や量に関する数字的な情報.「時計が 3分[程度] 遅れる」
限界 ある動作や状態,状態変化においてある制限を設ける場合の表現.「入場を [対象] 女性に [限界] 限る」
限界(時) ある動作や状態,状態変化においてある制限を設ける場合の表現が時間の場合.「 届出を [対象] 明日で [限界(時)] 締め切る 」
限界(程度) ある動作や状態,状態変化においてある制限を設ける場合の表現が数量の場合.「福袋を [対象] 100個に [限界(程度)] 限定する 」
基準 比較に関して述べる述語の必須概念で,比較となる要素. 「アメリカが 諸外国に[基準] 研究で[領域]優越する」
基準(人) 比較に関して述べる述語の必須概念で,比較となる要素が人の場合.「生徒たちが 先生に[基準(人)] 従う」
領域 ある状態を取り上げる際の基本となる特殊な範囲を表す表現で,述語の必須的な意味となる場合.比較表限における比較の範囲.「絵文字が [対象] 中高生に [領域] 流行する」「彼は [経験者] 成績が [対象] 学年で [領域] ずば抜ける」
領域(人) ある状態を取り上げる際の基本となる特殊な範囲を表す表現で,述語の必須的な意味となる場合.それらのうち人の場合.「弟が [経験者] 兄に [領域(人)] 足手まといだ」
領域(時) ある状態を取り上げる際の基本となる特殊な範囲を表す表現で,述語の必須的な意味となる場合.それらのうち時間を表す表現.「家賃を [対象(動作)] (5ヶ月) [領域(時)] 滞納する 」
条件 ある動作や状態,状態変化における条件を表す場合に付与する.「ちゃんと球団が努力すれば[条件] 地方の客が[入り]ますよ」
様態 ある動作や状態変化が起こっている時間内に対するやり方態度に関する修飾.「だらだらと[様態] 走った」
副詞相当 上記の[様態]や場所・時間・条件といった他の付加詞以外で,ある動作や状態,状態変化に対する修飾.「野菜を[対象] おいしく[副詞相当] ゆでる」
状態 ある動作や状態を述べる表現で,とりあげる対象のありさまを述べている部分.「父が 一教師で[状態] 終わる」
目的 ある動作や状態や状態変化がなんのためにされているかを述べている部分.「多額のお金を 共同購入に[目的] 出資する」
修飾 他に規定されている意味役割に該当せずに,連体修飾の形でのみ現れるその述語に依存した意味的な関係(いわゆる外の関係). 「振動と騒音が[対象] 悪化する 事[修飾] が 分かりました」
連語 述語と共起して特別な意味をもつ要素であり述語の一部とみなすべき要素.「口が[連語] 滑る」
順接 付与対象の述語に係る文節で,付与対象の述語に対して時間的に前に記述されている部分.「そこをクリックすると[順接] パスワードを[対象] 付けることができます」
逆接 付与対象の述語に係る文節で,付与対象の述語に対して,意図しなかった状況であることを述べる部分.「カラーの夢は絶対ないと言われますが[逆接] 私は[経験者] カラーの夢を[対象] 見ます」

述語(動詞)項構造シソーラスが使われている例

参考文献